こんにちは。

禁止改定、新フォーマットと話題に事欠かないMTGですが、私は最近MTGプレイヤーのカードに対する姿勢について着目することが多くなっています。


ことの発端は「拡張アート」と呼ばれる楽しみ方がツイッターで話題になったことでした。例えば一枚のカードの上に直接絵の具を置き、イラスト部分を枠外まで拡張したりして、その美しさを際立たせようというものです。中には、カード名やカード効果に合わせてイラストそのものを書き換えてしまうものもあったり。

これに対して、某カードショップの店長が全否定するようなことを書いたのです。彼はカードショップ店主でありながら、カードコレクターとしても知られていて、最初期のアルファやベータのカードを集めるのはもちろん、有名カードの原画なども集めている生粋の収集家。ですから、彼の中には「カードそのものが素晴らしく、貴重な遺産であるので、それを一般人が上書きするという行為そのものに対して嫌悪感」を抱いているように見受けられました。

カードを商品として扱う彼の発言に対し、ツイッターでは賛否両論の展開。「私もそう思う。勝手なエゴで自己満足されても困る」「カードの売買ではサインドや拡張アートは資産価値として下がる」「拡張アートは公式大会では不正の対象になるためNGですよ」「カードはもともと遊び。それを色々な形で楽しんで何が悪い。カードで商売してる人の意見とは思えない」
中には、彼の人格を否定するような意見も見受けられました。

ここで登場したのがまた彼と親交のあるトモハッピー氏。同様にカードショップの店主でありながら、同時にプロプレイヤーとしての側面ももつ彼の意見は「拡張アートも楽しみ方の一つとしてアリだと思う」ということでした。ただ彼は、だから誰かを否定するような意見は口にしませんでした。


私はこの流れを見ていて思いました。

「商売人、あるいはコレクターとして、資産価値の下がる拡張アートを許せないという意見はわかる。一方で、確かに権威ある大会でそういうカードを持ち出されても困る。だけど、拡張アートを作ったり使ったりして楽しんでいる人の姿勢もいいなと思う。」

つまり、どの意見も一理あるように見えるのです。



ただ、どの人も一歩も引かない。

「カードとはこうあるべきだ」

という考えがそれぞれの根本にあることが原因のようです。



ここで、これらの意見を大きく3つに分類してみました。

■1、カードコレクターあるいはバイヤー。
カードの価値そのものについて着目する。もちろんゲームもするがやはり収集が本分。

■2、競技プレイヤー。
サッカーなどのスポーツのように、大会での公平性や勝敗に着目する。もちろんカードを楽しんでいると思うが優先度は低い。

■3、カジュアルプレイヤー。
MTGを楽しむことに着目する。勝敗ももちろん大事だが、そういうものを含めて友人知人と楽しんだりするのが好き。


例えば冒頭の店主は1番で、逆に「カードで楽しんでる場合かッ!!」みたいな感じ。それに対し3のカジュアルプレイヤーは「カードで楽しむものだろうが!」競技プレイヤーは「否定派しないけど、大会で使うのはやめてね」

拡張アートに関してはこういった別の立場の人間が対立している構造があるのではないでしょうか?



この分類はMTGアリーナでも言えると思っていて、例えば入ってきた初心者がランク戦主体のアリーナからいきなり始めると、「勝敗にこだわる競技プレイヤー指向」になりやすいのではないでしょうか。すると「純粋に勝敗への試行錯誤が楽しい。続けよう」という人と「勝てねえ!土地事故!後攻!イライラするー!」という人に分かれていきます。そこで一種の篩にかけられてしまいます。

一方で、店舗の初心者講習会なんかから始めた人は、顔の見えるコミュニケーションの中で「楽しみ」を感じやすいカジュアルプレイヤー指向になりやすいと思っていて、私自身がそうだったからではありますが、アリーナから始めるよりはすんなり入りやすそうな印象です。


禁止改定についてもそうで、トモハッピー氏(バイヤーというよりはプロプレイヤー寄り)は「特定のデッキが支配してる現環境でもいいと思う!でも思ったより困っている人がいたのは驚いた!」と言っていました。
私もカラデシュ期に周囲が4C機体ばかりで全く【楽しく】ないので絶望していたのですが、一方でプロプレイヤーたちは「みんなが同じデッキを使うということは、あとはプレイの差で【勝てる】ので楽」ということを書いていて、目から鱗でした。


このように、それぞれがMTGの根底に抱えている気質って実は異なっていて、それが拡張アート問題に表れたような対立構造を生んでいるような気がしています。

ただ、「相手の人格を否定してまで自分の姿勢が正しいと主張する」のはおかしいのではないかと思ったので、今回の話を書いてみました。


まとめると、「それぞれにMTGに対する信念があるので、それは尊重されるべきだし、あなた自身が持っている信念も当然持ち続けていい。ただ、相手にもそれがあるということはわかっておこう」ということでした。


もちろん今回の分類は私が勝手にしたものですが、あくまで例としてそういう考え方もあるのだと思っていただければよろしいかと思います。


自分なりのスタイルでMTGをエンジョイしていきましょうね。

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